コラム 『バイオ医薬品 AtoZ


弊社提携先のTKYクリエイト株式会社 吉森 孝行様にお願いして、多くの方バイオ医薬品にする理解を深めて頂ければと「バイオ医薬品 AtoZ題したコラムを開設させて頂く事になりました。

月に1回程度投稿していく予定です。何か皆様のお仕事のヒントになれば幸いです。メール配信も行っておりますので、最新版をリアルタイムで読まれたい方はご依頼頂ければと思います。

吉森孝行氏プロフィール


1988年  5University of North Carolina at Wilmington理学部 化学学科 学士号取得

198812University of North Carolina at Wilmington理学部 生物学科学士号取得

199412University of South Carolina 理学部 生化学学科 博士号取得

199512月~200812月 中外製薬株式会社にて薬開発研究所製剤技術研究所製薬技術

   研究部そして分析技術研究部に所属、DDSそしてバイオ医薬品の研究開発に10年間以上携わり国

   内初の抗体医薬品アクテムラの国内・欧米上市に深く関わった中外製薬退職後はコンサルタント

   製薬企業分析機器メーカーそしてアカデミックに対して技術サポート等などを行うとともに新規

   分析機器の開発をおこなったなお自身で()TKYクリエイトを設立(20102月~現在)した。

201011月~20133()島津製作所田中最先端研究所にて最先端研究開発支援プログラム

   (FIRSTプログラム)「次世代質量分析システム開発と創薬・診断への貢献」に研究者として参画

   世代質量分析システムの開発における新規合成抗体を用いての超高感度Fishing法の構築を行った

20127月~20144月 京都大学大学院薬学研究科にて連携准教授、特定准教授高感度な

 新規前立腺癌診断法及び新規抗体医薬の創薬研究に従事した。

20144月~現在 バイオ医薬品の研究開発・製造及び品質保証関連及びDDS関連、

 海外のCMO/CROとの対応等幅広く活動中。


コラム開設にあたって


バイオ医薬品は従来の低分子化合物医薬品と比較して有効性が高く副作用が少ない医薬品として期待されており、実際にこれまで治療が困難であった数多くの病気に治療の道を開いてきました。

そうは言っても、バイオ医薬品に問題がないわけでなく、低分子医薬品と比べ非常に複雑な分子構造を有することに起因する問題、バイオテクノロジーを用いての製造に起因する問題、そしてそれらに起因する免疫原性等、その開発研究上において種々の問題点を有します。


その中でもバイオ医薬品の免疫原性は、臨床試験中または上市後の医薬品としての是非をも左右し、新規バイオ医薬の開発において克服することが必須である大きな課題です。


 このコラムでは、バイオ医薬品の開発研究上の問題点や最新の情報に関して紹介させていただこうと思っています。バイオ医薬品やバイオシミラーの研究開発に従事されている方のみでなく、単に興味をお持ちの方々にも読んでいただけるような内容を目指したいと思っていますのでよろしくお願いいたします。

ライフサイエンス


コラム【分散・凝集 AtoZ】

【第1回】バイオ医薬品と低分子医薬品の違いとは?

2016/10/20 18:50 に 宮嶋秀樹 が投稿   [ 2016/10/27 21:33 に更新しました ]

【第1回】 バイオ医薬品と低分子医薬品の違いとは?


言でバイオ医薬品と言いますが、バイオ医薬品とはTable 1に含まれる全ての品目を指します。しかしながら、本コラムでは、5.の「バイオテクノロジー応用医薬品・組み換えDNA技術応用医薬品」を中心に(免疫原性に関して述べさせて頂く際には、3.のワクチンに関しても少しの含めさせて頂きます。)述べます。 


「バイオテクノロジー応用医薬品・組み換えDNA技術応用医薬品」ですが、文字通り、バイオテクノロジーを用い培養細胞や細菌に目的とするタンパク質の設計図であるDNAを組み込んで,それを作らせ,精製して製造されます。このような工程を経て製造されるバイオ医薬品の原薬は、化学合成によって製造される単一構造を有する低分子医薬品の原薬(通常、目的とする化合物を合成しそれを結晶化させ製造される。)と異なり製造工程由来の不純物や混入汚染物質を含む状態で得られます(精製工程によっても完全に取り除くことがほぼ不可能であるため。)[Figure 1]。



また、タンパク質であるバイオ医薬品は、目的物質であっても完全に均一な構造を有しているわけでなく、さらに一部切断されたもの及び化学修飾を受けたものでも、その活性を有するものに関しては、目的物質関連物質として有効成分に含むことが可能です(活性を有しないものに関しては目的物質由来不純物としてカテゴライズされます。)[Figure 1, Table 1 & 2 & 3]。




 以上述べてきたように、不均一な構造を有する目的物質、切断もしくは化学修飾を受けたものでも活性を有していれば有効成分となり得る点、そして原薬が製造工程由来物質や汚染混入物質が含まれた混合物である点などが低分子医薬品との最も大きな違いです。


よって、バイオ医薬品の開発研究ではこれらの点に注目して、どのような構造の目的物質が存在するのか、どれが目的物質関連物質でどれが目的物質由来不純物であるか、そして製造工程由来物質や汚染混入物質が効率的に除去・コントロールされているかを示すことが非常に大きなウエイトを占めています。


 次回のコラムではバイオ医薬品の重大な副作用である「免疫原性」について述べます。


ライフサイエンス


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