【第1回】 バイオ医薬品と低分子医薬品の違いとは?


言でバイオ医薬品と言いますが、バイオ医薬品とはTable 1に含まれる全ての品目を指します。しかしながら、本コラムでは、5.の「バイオテクノロジー応用医薬品・組み換えDNA技術応用医薬品」を中心に(免疫原性に関して述べさせて頂く際には、3.のワクチンに関しても少しの含めさせて頂きます。)述べます。 


「バイオテクノロジー応用医薬品・組み換えDNA技術応用医薬品」ですが、文字通り、バイオテクノロジーを用い培養細胞や細菌に目的とするタンパク質の設計図であるDNAを組み込んで,それを作らせ,精製して製造されます。このような工程を経て製造されるバイオ医薬品の原薬は、化学合成によって製造される単一構造を有する低分子医薬品の原薬(通常、目的とする化合物を合成しそれを結晶化させ製造される。)と異なり製造工程由来の不純物や混入汚染物質を含む状態で得られます(精製工程によっても完全に取り除くことがほぼ不可能であるため。)[Figure 1]。



また、タンパク質であるバイオ医薬品は、目的物質であっても完全に均一な構造を有しているわけでなく、さらに一部切断されたもの及び化学修飾を受けたものでも、その活性を有するものに関しては、目的物質関連物質として有効成分に含むことが可能です(活性を有しないものに関しては目的物質由来不純物としてカテゴライズされます。)[Figure 1, Table 1 & 2 & 3]。




 以上述べてきたように、不均一な構造を有する目的物質、切断もしくは化学修飾を受けたものでも活性を有していれば有効成分となり得る点、そして原薬が製造工程由来物質や汚染混入物質が含まれた混合物である点などが低分子医薬品との最も大きな違いです。


よって、バイオ医薬品の開発研究ではこれらの点に注目して、どのような構造の目的物質が存在するのか、どれが目的物質関連物質でどれが目的物質由来不純物であるか、そして製造工程由来物質や汚染混入物質が効率的に除去・コントロールされているかを示すことが非常に大きなウエイトを占めています。


 次回のコラムではバイオ医薬品の重大な副作用である「免疫原性」について述べます。


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