超音波分散機の効果を粒子径分布とゼータ電位測定から検証
測定項目:
粒子径・ゼータ電位測定(超音波式)
サンプル・分散剤:
ヘキサメタリン酸ソーダ(分散剤)で0.2wt%の水溶液を調製して、この水溶液に高純度α-アルミナの粒子を10体積%になるように加えたスラリー。
分散処理:
撹拌棒で混ぜただけのサンプル(分散剤が入っているので幾分かは分散する、下記では赤いデータ)、そのサンプルに超音波分散装置で1分間照射(150W,20kHz)して分散させたサンプル(黒いデータ)を測定、その効果を検証しました。
結果考察
照射前のサンプルは、ゼータ電位が-18.2mVでしたが照射後の物は-36.6mVになりました。これは一部凝集してアニオン性の(負電荷を与える)分散剤が粒子表面を十分覆い切れていなかったものが、分散が進んで細かくなった粒子表面の大部分を覆った為に負電荷が増してゼータ電位の値も増大したものと考えられます。
したがって、この超音波分散機を用いた処理の効果は単に粒子が細かくなっただけでは無く、分散安定性にも良い作用があると考えられます。
より詳細な情報が必要な場合は分散安定性評価や粒子界面解析を行う必要があります。