塗工膜密着力評価のサンプル固定法の検討

  • 遠心法で塗膜の密着力の測定を行った。
  • かなり密着力が弱いサンプル(リチウムイオン電池の正極)の測定を行った。
  • 固定に接着剤を使用した物と、直ぐに固定ができる両面テープを使用した物を比較した。

測定原理

lfracap01-02.png

 

LUMiFracは、上の図のように接着剤等の試料に重り(テストスタンプ)を付けて遠心力を加えていき、試料が破断する瞬間をセンサーで捉え、その時の回転数、重りの重さ、接着面積から破断時の荷重を算出します。

 

  装置詳細はこちら ⇒ 遠心式 多検体・同時接着強度測定装置 LUMiFrac(ルミフラック)

 

サンプル構成

lfracap01-03.png

サンプル作成手順

lfracap01-05.jpg

測定条件

  • 10rpm/秒(約0.2N/秒)でサンプルへの荷重を増加
  • 測定雰囲気温度は25℃
  • サンプルの固定に両面テープを使用した物と接着剤を使用した物で比較した
  • 接着面積はφ10mmで、約78cm2

測定結果

lfracap01-07.png

接着剤を使用した方が約2倍、接着強度が高い結果となった。

接着剤がカーボンの層に染み込み強度が増したと考えられる。

MPaに換算すると各々、両面テープ0.0805MPa、接着剤0.1771MPa程度となる。

測定後のサンプル

     両面テープ                    接着剤

lftacap01-11.jpg

写真では分かり難いが、接着剤を使用した方がアルミ面に残ったカーボンの膜厚が薄かった。

やはり接着剤が浸透して剥離し、本来の破断面(弱い箇所)では無いところで剥離したと考えられる。

 

結論

  • 遠心法を使うと塗膜の密着力の測定が可能である。
  • 0.1MPa程度のかなり弱い密着力の測定も可能である。
  • 固定に接着剤で無く両面テープを使用した方が、今回のサンプルのような場合は良好な結果が得られることが分かった。

 

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