分散性評価に最適化されたコンパクトなNMR

 MagnoMeter XRS

 

パルスNMRは、緩和時間を測定することで、試料の僅かな違いを短時間で再現性良く数値化できる超高感度な分析機器です。粉体の濡れ性や親和性、濃厚スラリーの分散・凝集状態が評価可能な画期的な装置です。

 

パルスNMR測定装置 MagnoMeter XRS 特長

◆ 分散・凝集状態の評価
◆ 粉体の濡れ性評価・界面評価
◆ 分散剤等の吸着特性評価
◆ 比表面積の相対比較・分散終点の決定に
◆ ハンセンパラメーター(HSP)を用いた分散性評価

 

 

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パルスNMRによる界面評価 測定原理

水や溶媒のみの場合、自由なバルク状態にあり観測核である水素原子核(プロトン、1H)緩和時間が長く得られます。微粒子界面では濡れると水や溶媒が水素結合やファンデルワールス力で化学結合を形成します。
化学結合された、つまり微粒子界面で拘束された(濡れた)水や溶媒の緩和時間は短く得られます。

 

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下図はCPMG法にて得られたT2緩和時間カーブをそれぞれ示しています。緩和時間はラジオ波を照射し得られた最大強度(Amplitude)が1/e(37%)まで戻るまでの時間です。もっと簡単に言うと緩和時間はエネルギーが高い非平衡状態(励起状態)からある程度の平衡状態(基底状態)に戻るまでに要する時間のことです。

 

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自由な溶媒(バルク液、ブランク溶液)と微粒子分散体の緩和時間を​​​​​​パルスNMRで比較することで、濡れ性の良・不良、分散・凝集状態の比較、比表面積の相対比較等が可能です。

 

濃厚系スラリー評価にも対応

多くの分散体や成型前の材料は、粒子が高濃度で分散した濃厚状態であるにも関わらず、そのままの状態で測定することが難しいのが現実です。しかしながら、希釈して測定すると異なる状態のものを評価している事になってしまいます。
パルスNMRは、光ではなくラジオ波を用いているため、希釈せずに黒色・濃厚系のサンプルであってもそのままの状態で測定する事が出来ます。分散媒の構造に水素原子核(プロトン、1H)が含まれていれば評価することが可能です。

 

微粒子分散系での応用事例

● セラミックス・電池材料:湿式分散における解砕、分散性の工程管理
● ナノテクノロジー:粒子の表面修飾状態の把握
● インク:無機・有機顔料の解砕、分散、分散剤吸着状態
● 製剤:ロット差による濡れ性の違い、吸水性の違い
● その他:濃厚系分散粒子系全般、アスペクト比の大きい試料
  (ナノファイバー、カーボンナノチューブ、樹脂中のフィラー等)
● ハンセンパラメーター(HSP)を用いた分散性評価