【第二回】「Aggregation」と「Flocculation」の状態の違い

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前回は「分散性」と「分散安定性」の違いについて説明した。そのなかで、「分散性」のパラメータは粒子-溶媒間界面エネルギーや濡れ性であり、粒子同士の「凝集力」と表裏一体の関係にあると述べた。

 

粒子間の付着や凝集力は分子間力(London-van der Waals力 )や水分の吸着(親水性)が鍵を握っているのだが、一般に粒子間に働く力の大きさや形態で凝集状態が分類されている。

すなわち、強凝集体=aggregate、弱凝集体=agglomerate、軟粒子集合体=flocculateである(上図参照)。

全ての応用分野で成立するような凝集状態の定義はないので、ここでは各状態のおおよその違いについて述べる。

(a)、(b)は1次粒子同志が直接結合して塊になっており、結合の仕方や強さの違いで分類されている。また、これらの凝集体は分散媒がなくても存在しうる。

一方、(c)は分散媒を介して形成され、この集合体が攪拌等により破壊されても攪拌をやめて静置すると再び元の状態に戻る。

したがって、前者は不可逆的で後者は可逆的であると言える。

 

濃厚分散系になると、これら凝集体がさらに粒子集合体を形成して、agglomerate-flocculate集合体、flocculate-flocculate集合体、aggregate-flocculate集合体などを形成する(下図参照)。

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もちろん、液中にバインダーや分散剤として高分子が含まれると、それらが粒子間を架橋するなどさらに複雑な構造や状態を形成するのに寄与する。

こうしてみると、濃厚分散系では、もはや凝集体や粒子集合体の大きさを評価するだけでは不十分で、微構造を評価する必要があるようだ。

 

 次回は、粒子間に働く凝集力とそれを表すポテンシャル曲線の関係について紹介します。